こんにちは!海外レポートを書いているKunyです!
今回は社会主義国家を最大限に楽しむ方法を紹介します。
‐前回までのあらすじ‐
キューバの生活を垣間見るために私は2014年にカナダからキューバへ飛びました。リゾート地で有名なバラデロに着いた翌日、キューバ人とタクシーを乗合い首都ハバナへ。そこで、ギリギリの生活をする男たちと出会い、男たちの一人、アレックスが不条理にも目の前で警察に逮捕される。
翌日、私は突然CASA(宿)を追い出されてしまった次の瞬間、ばったり会ったのが男たちの一人、カリート。荒々しい印象の彼にその夜10:00に家を訪ねると約束し、私はようやく観光を終えてカリートの家へ行くが、彼は1000円を持って姿を消し、さらに彼の娘の婚約者に殺されかける。追い打ちをかけられるように一緒にバラデロからハバナへ来たキューバ人は私をおいて先にバラデロへ帰ってしまいました。
先が読めないキューバでの日々。最後に待っていたのは最高に楽しい出会いでした。
3人の男においていかれた私は、しかたなくバスターミナルへ向かいました。
そこで、一人のアルゼンチン人が私に声をかけました。
「私と一緒にタクシーでバラデロへ行く・・・OK?」
彼の名前はマディアス。
Tシャツがいつも後ろ前で、荷物は小さなバックパック一つ。
自由奔放な彼とその後バラデロで4日間過ごすことになりました。
タクシーの中でマディアスは
「バラデロでホテル取ってるのか?それはいくら?」
と私に聞き、私はホテルの料金や日数を説明しました。
「俺もあなたの部屋泊まる・・・OK?」
マディアスはホテルの予約なしに、私の部屋にもぐりこめないかと聞きます。
「うーん。私は一人でツインルームに泊まっているから良いけど、
もしホテルのスタッフに見つかっても責任はとれないよ」
と答えました。
マディアスは毎年、休暇のたびにアルゼンチンからキューバに来ているので、
バラデロに関しても詳しく「見つかっても何とかなる。私は大丈夫。」と言います。
「そうか、わかった。本来なら一泊3000円で半額だけど2,000円で私の部屋に泊まってもいいよ!」
・・・ということで、マディアスが私の部屋にもぐりこむことになりました。
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私の部屋に潜入する
バラデロのホテルはオールインクルッシブ。
一日中飲み放題食べ放題を楽しめるのですが、
ホテルの客を証明する為に左腕にリストバンドを付けなくてはいけません。
私が泊まっているホテルのリストバンドの色は黄色。
隣のホテルでは青色・・・というようにホテルによって異なる色のリストバンドを付けます。
マディアスはリストバンドを持っていないので、ホテルの従業員に見つかったらマズイことになります。
そこで、私たちがしていたのは以下の2つです・・・
一つは必ずホテルのフロントからではなく、ビーチ側からホテルに入るということ。
そして、ひたすらマディアスの左腕を隠すことです(笑)
ホテルのフロントにはベルボーイやフロントのお姉さんがいるのでそこを通るのはリスクが大きい、
したがって監視の甘いビーチ側からホテルにもぐりこみます。
ビーチ側にも監視が常時2人いるのですが、
大勢のカナダ人達が日光浴をしているビーチは、
フロントから入るよりもチェックが手薄です。
ビーチの監視に見つからないように
「まずはKUNYが先を歩いてくれ。私はその少し後ろを歩く」
「マディアス、監視が動いた。今だ!」
私たちはホテルの・・・私の部屋への潜入に成功しました(笑)
本物のモヒート
マディアスは部屋に入るとすぐに大きないびきをかいて寝てしまったので、
私はコーヒーを飲みにホテル内のカフェで久しぶりの一人の時間を楽しみました。
仮眠をとって体力を回復した後に、
私たちはホテルの飲み放題のバーへ行き、モヒートを飲みました。
「うーん。なんておいしくないモヒートなんだ・・・。
KUNY、本物のモヒートを飲ませてあげるから付いてきてくれ」
いったいどこへ行くのかな?と思いつつ、
私はマディアスの後について夕日が沈むビーチに出ました。
マディアスは若いカナダ人女性を見つけるたびに
「うーん、美しいー。どこから来ましたか?スペイン語話せますか?」
と声をかけます。
私は、そのやり取りが面白いのであまり話さずに眺めていました。
3回くらい会話をしたら女性が眉を軽くしかめながら笑顔で
「そうー。いいわね!じゃあバラデロを楽しんでねー!」
と言いながらいなくなってしまいます。
マディアスは英語が嫌いなのであまり話しません。
一生懸命ジョークを言ったり、面白いことをしているのですが
言葉の壁がマディアスとカナダ人女性に立ちはだかります。
何度、女性が手を横に振ってもマディアスは
「わー。美しいー。なんていう名前ですかー?何歳ですかー?」
そもそもカナダの女性に年齢を聞くのは非常識!(笑)
次の女性が軽く眉をひそめてもマディアスは再チャレンジをします。
「マディアス、女性に年齢は聞くことはオススメできないよー。」
と話しているうちに目的地に到着。
隣のゴージャスな5つ星のホテルに着きました。
おしゃれな噴水を照らす鮮やかなライト、
巨大なプールにかかる木製の橋、
特別な雰囲気を演出するジャズバンド。
私のとっていたホテルとは別世界で裕福な紳士淑女がディナーを楽しんでいます。
<私が泊まっていたホテルは三ツ星、若者が大部分の宿泊客>
(↑クリックで私が泊まっていたホテルの記事へジャンプ)
そこで、生のミントをグラスの中で木の棒を使ってすり潰す本格的なモヒートを堪能しました。
それから、毎日マディアスと私はランチは一番ランチがおいしいホテルへ、
朝食は一番朝食がおいしいホテルへ・・・
5~6軒のホテルを贅沢に楽しみました。
隣の立派なホテルのサービスを享受することに罪悪感はなく、
マディアスと私の共通認識は以下の五段論法です。
①キューバは社会主義国である
②社会主義とは平等な富の分配がなされてしかるべき
③旅行客が支払った外貨は国に納められる
④その外貨は国から平等にホテルに分配され、各ホテルの収益になる
⑤したがって私とマディアスはどのホテルを利用しても良い。
・・・という少々強引な理屈で合意形成。
キューバ最高級の食事やサービスを堪能しました(笑)
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しかし、最高級のホテルでディナーを楽しんだ後マディアスは監視に見つかってしまいました。
日の落ちた後の真っ暗なビーチからホテルに入ろうとした時、
まばゆい懐中電灯の光に照らされて、流石にマディアスは別のホテルを取ることになってしまいました。
「KUNY、明日の13:00にウインドサーフィンの前で会おう!」
「ああ、おやすみー!」
翌日、マディアスにウインドサーフィンを教えてもらう約束をして
私たちは別々のホテルに戻りました。