以前、追って論理学を説明すると書いたので、今回は論理学を説明します。
日常的に、「論理的だ」「論理的でない」と耳にしますよね。
そもそも、論理とはいったい何でしょうか?
「論理」の「論」とは言葉のまとまり、「理」とは筋道を意味しています。
「言葉のまとまりの筋道」が論理なのですが、「論理的」とは一体どういう状態かを説明します。
説明のために、突然ですがここで問題です。
Q1 【「昨日のお昼に何食べたの?」と聞かれたとき以下のうちどの解答が論理的でしょう】
Aさん: カレーライス
Bさん: ドリア
Cさん: Bさんと同じもの
なんとなくCさんは「Bさんと同じもの」と答えていて論理的でないように思う方もいるかもしれません。
しかし、正解は「まだ論理的かどうかわからない」です。
判断や主張だけでは「言葉のまとまりの筋道」が不明だからです。
次に「なぜ」かを聞いてみることにしましょう。
Q2 【「なぜそれを選びましたか?」と聞かれた場合以下のうちどれが論理的でしょう?】
Aさん: 初めての店では一番あたりさわりのないカレーを選ぶことにしているから
Bさん: 暑かったから
Cさん: Bさんが好きだから
「なぜ」の後には必ず理由が続きます。
判断や主張に理由が加わることで初めて「論理」になります。
そこで、論理的かそうでないかは「判断・主張」と「理由」が繋がっているかどうかが判断の決め手になります。
よって、Aはカレーライスと理由が繋がっているので論理的と思われるでしょう。
しかし、Bは判断と理由が離れすぎています。Cは感情的な理由は変わる可能性が高く、
そもそも好きには理由が無い場合が多いので論理的とは思われにくいのです。
そこで、Bさんにさらに質問しました。
「暑かったらなぜドリアを選ぶのですか?」
「長寿の人はみな気温が高いときには熱いものを食べているとTVで言っていた。
昨日は暑かったし、ドリアがメニューの中で一番熱いものだったから。」
Bさんの論理は正しいのでしょうか?
もし間違っているのならば、どこが間違っているのでしょう。
Bさんの理由を次のような命題に書きなおします。
①TVの言うことは正しい
②(したがって)長生きの人は暑いときに熱いものを食べる
③暑いときに熱いものを食べる人は長生きする
④(そして)私は長生きしたい
⑤(だから)私は暑いときに熱いものを食べる
「①TVの言うことは正しい」という部分が間違っていると思う方も少なくないでしょう。
実際、TVは偏向報道や事実の歪曲など問題点を抱えていますが、
論理的には誤っていません。
Bさんの命題の論理的な間違いは②と③の間にあります。
Bさんは、「長生きの人は暑いときに熱いものを食べるから
暑いときに熱いものを食べる人は長生きする」と言っています。
しかし、主語と述語が入れ替わっています。
つまり、「暑いときに熱いものを食べれば長生きするとは限らない」ので論理的な誤りです。
この論理的な誤りは日常生活でも非常に多く見られます。
例えば、「北海道の人はおおらかだ≠おおらかな人は北海道の人だ」
「桜は花だ≠花は桜だ」など。
論理性を高める為には、このような主語と述語の入れ替わりには注意が必要です。そして、
主張・判断の内容ではなくて理由との関係性によって論理的かどうかが決まるのです。
論理学についてはまた改めて説明を加えます。
【理論の持論化】
(↑クリックでリンク先へジャンプします)
スポンサーリンク: