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こんにちは!Kunyです
私はこれまで国境を越えた社会課題解決を目指して、現地調査や研究を重ねSDGsビジネス達成のためにクラウドファンディングに挑戦してきました。
今回はクラウドファンディング、特に社会課題解決の達成方法について失敗・成功の両方の体験を基に可能な限り詳しく書いてみようと思います。
本記事を読み進めながら、クラウドファンディング成功のコツを見つけたり、挑戦のきっかけになれば嬉しいです。
まず初めに結論からいうと、クラウドファンディング成功のポイントは以下の4点です。

クラファン成功の4つのポイント

  • 社会へのインパクトの大きさ、社会的意義の深さ
  • クラファン開始前の内輪への根回し
  • 共感したくなるストーリーとリターンの妥当性
  • SNSやメディアを使った情報の拡散

社会へのインパクトの大きさ、社会的意義の深さ

そもそもクラウドファンディングとは「群衆(クラウド)」から「資金調達(ファンディング)」をするためのもの。
したがって、より多くの人々にとって価値が伝わるプロジェクトが成功しやすいと言えます。
つまり「自分はこうなりたい」「自分はこうしたい」という自分目線だけではなく、「誰のためにこれが必要」という価値が明確に伝わる提案であるべきだと思います。

そのために参考にできる考え方として問題解決の典型的なロジックチャートPHCSを紹介します。

Problem-Solving型のロジックチャート「PHCS」

Problem:何が問題なのか
Harm:その問題によって引き起こされる弊害は何か
Cause:問題が引き起こされてしまう原因
Solution:原因を取り除き問題解決できる手段

ここで、社会的意義②Harm(弊害)の大きさで測ることができます。
例えば、次の2つのプロジェクトは私が過去に実践したアクションです。
どちらが社会的な意義が大きいでしょうか?

【プロジェクトA】
①フィリピン・ミンドロ島の村の学校に体育館がない
②子どもたちのための屋内運動施設がない他、自然災害時の避難場所が無い
③体育館の建設費用が不足していることが原因
④クラウドファンディングで体育館の建設費用を集める

【プロジェクトB】
①途上国で薪やゴミを燃やすスリーストーンクッキングが問題だ
②薪を燃やした煙の空気汚染により、全世界で年間190万人が死亡している
③薪やゴミを燃焼させた際に発生する一酸化炭素、ダイオキシンによる中毒が原因
④スリーストーンクッキングの代わりにソーラークッカーを普及させる

AREA(エリア)、Assertion-Reason-Evidence-Assertion

社会的なインパクトの大きなプロジェクトに挑戦することを決めても、その価値が人々に伝わらなければ達成が難しくなります。
そこで、AREAというロジックチャートを紹介します。

  • Assertion:述べようとする主張や意見、結論
  • Reason:理由付け、根拠
  • Evidence:主張の根拠となる理論や事実(事例や比較など)
  • Assertion:述べようとする主張や意見、結論

AREAは討論に用いられる基本的なロジックですが、社会解決型クラウドファンディングの価値を伝えるのにも有効です。
ちなみに、EvidenceとReasonの矛盾を見つけるのがクリティカルシンキングです。

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クラウドファンディング開始前の内輪への根回し

クラウドファンディングをスタートして自分のことを知らない人に支援してもらうまで、一定の時間がかかります
そのため、自分の活動を支持してくれる仲間内にプロジェクト開始後、すぐに支援をしてもらうよう準備しておくことも大切です。

支援が集まらないプロジェクトは注目されず、他のプロジェクトの陰に埋まって行きますから「呼び水」は必要です。
プロジェクト開始直後に支援が集まれば、その報告をSNSで拡散するなど次の一手に繋げることができますよね。

クラウドファンディングを始める前に支援者候補リストを作って入念に計画するのは特別なことではありません。
事前に目標金額の1/3から1/2が集まる担保があれば、その後の支援が集まりやすくなります。
また、クラファン開始翌日に50%達成していたら確実に根回しの成果なのですが、後から支援する人にとってもプラスの印象であるのは間違えありません。
普段からどのように信頼形成をしていて、仲間からの支持が高いことがプロジェクトの信頼を高めるからです。

事前に仲間内に相談することは、クラウドファンディングの計画に甘い点は無いか改善点のアドバイスを貰うことにも効果的です。

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共感したくなるストーリーとリターンの妥当性

プロジェクトを知って、「支援したい」と思ってもらえなければ「独りよがり」「わがまま」になってしまうでしょう。
「支援したい」と人の心を動かすときに必要なものはストーリーです。
ストーリーとは、なぜそのプロジェクトを始めたのか、今までどんな取り組みをしてきたのかという軌跡とも言えます。

「誰のためのプロジェクトなのか」が明確になっていれば「どんな人に支援を知ってもらいたいか」も具体化されます。
想定できる支援者が望むリターンを設定するとより支援が集まりやすくなるでしょう。

SNSやメディアを使った情報の拡散

プロジェクトを開始後、クラウドファンディングの投稿機能だけではなくSNSを使って広く知ってもらうための情報発信が不可欠です。
現在行っているプロジェクトの進行状況や支援者へのお礼、今後の展望など「動き」を見せていくことは大切です。

また、「どんな人に支援を知ってもらいたいのか」が具体化されていれば、情報発信の方法も工夫することができますよね。
社会課題解決の例ではありませんが、「解体が決定された電車を守りたい」などコア向けのプロジェクトも鉄道好きの支持を集めて大成功しています。
支援をしてもらいたい層に合わせたハッシュタグなど情報発信の工夫も重要です。

その他、インパクトが大きいのはテレビや新聞などマスメディアに取り上げてもらうことです。
社会的意義が大きければ、メディア側から取材依頼が届きますし、メディアに取材の依頼を出すこともできます。
マスメディアに報じられた後は、迷惑な電話などもありましたが、暖かい心を持った方々からの支援がたくさん集まりました。

成功に至らなかった「体育館建設プロジェクト」

私は大学進学の前から国外で起こっている貧困や教育、衛生管理などの社会的課題に関心を持っていました。
経営学を専攻した大学ではビジネスの枠組みで社会的課題を解決したいと、ほぼ全てのASEAN加盟国をフィールドワーク
大学4年生の時に送電網と貧困地区の関連性に注目し、電力を必要としないプロダクトの普及によって貧困問題解決の糸口になると仮設を立てました。
送電網と所得を裏付けるデータが無いかJETRO(日本法益振興機構)へ行くも日本国内には海外の特定地域の詳細データが無いことがわかりました。
そこで、非電化地域へ直接行き生活実態とプロダクトニーズの調査を決意。
当時、電気が普及していなかったフィリピンのミンドロ島、ロハスという町を調査していると農業高校の体育館建設の相談を受けました。
体育館が無いことで、自然災害が起こった場合の避難場所がないことが課題となっていました。
そして、日本に帰国後に現地と密に連絡を取り合いクラウドファンディングに挑戦しました。
しかし結果は目標金額達成ならず
その理由は次の4点だったと振り返ります。

  • 支援をする価値や社会的意義を伝えられていなかった
  • クラウドファンディング開始前に「根回し」をしていなかった
  • 共感できるストーリーとは言えなかった
  • 見た目があまりにも清潔感に欠けていた

目標金額を達成した「ウクライナ避難民への日本語教育・社会生活支援」

私は2022年3月から現在に至るまでウクライナから北海道へ避難されている方々へ、日本語教室の無償開講と文化交流イベント、日常生活サポートを行っています。
戦争から逃れるために来た日本、日々の生活を安心して送ってもらいたいという想いで支援活動を継続しています。

その理由は日本政府が避難民の受け入れを表明した後、住居提供、生活費の補助などハード面の支援が多く集まりました。
その一方、言語の壁や文化の違いなどが理由で日本社会に溶け込むことが難しいという課題がありました。
安全を求めてたどり着いた日本で精神的な孤立を抱えてしまっては、安心できる日常を取り戻すことは難しいと考えました。

そうして日本語教室を開始し、2022年6月には8名が毎週通う教室になり、毎月1回開催している日帰りツアーや観光地へ行くイベントにボランティアの大学生が集まるようになりました。

しかし、2022年当時はウクライナ語に対応した教材が無かったため、一から日本語教師が教材を手作り
教材費やイベントも私が個人で負担しており、本業へも大きな負荷がかかっていました。
これに対し、北海道庁国際課に応援を頼むも会計期間中だったことなど様々な理由で資金援助を受けることが難しい状態になりました。

ウクライナの避難民支援の持続可能性を考えたときに、資金調達が必要と考え2022年6月9日にCAMPFIREで クラウドファンディングを開始しました。
目標金額を上回る113%の支援が集まり資金調達に成功しました。

その後、共同通信に取り上げられ、NHKの密着取材を皮切りにUHB, HTB, STVといったテレビ局で活動は報じられました。
北海道新聞をはじめ、数社の新聞社にも掲載された後、クラウドファンディング終了後にも支援金を送ってくださる方に恵まれることができました。

今回は、クラウドファンディングの失敗と成功について実体験と共に紹介してみました。
この体験が世界で起こっている社会的課題解決を真剣に解決したいと考えている人の力になれば嬉しいですね♪

世界に目を向けてグローバルに活躍したい方にはSDGsの宝庫であるフィリピンへ語学留学行くのがお勧めです。
気軽に格安で留学ができて短期間で英語が伸びるだけではなく、日本人として世界に何ができるのか考えさせられる機会に満ちているからです。

フィリピン留学について知りたい方はこちらの記事も読んでみてください♪

 

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