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こんにちは!Kunyです

円安が進み海外の大学に進学を考えていた方々にとって、比較的安価な学費のマレーシアの大学進学が注目を集めています。
マレーシアの大学の費用は年間で私立で90万~130万前後、国立大学の場合は40万円前後となっております。
学費だけではなく、滞在費や物価が日本の半額程ですので、学費+生活費を含めたトータルコストが年間160万円程度で海外生活を送ることができます。
マレーシアの大学は学費だけではなく、教育水準や設備のレベルが高いことも注目される理由の一つとなっています。
マレーシアの大学を卒業することでイギリスの大学の学位を取得できる「デュアルディグリープログラム」や、北米の大学に編入できる「ADPプログラム」、イギリスやオーストラリアの大学に編入可能な「ツイニングプログラム」が用意されていることも人気の理由です。

マレーシアの基本情報

  • 首都:クアラルンプール
  • 民族:マレー系69%、中華系23%、インド系7%
  • 人口:約3,237万人(2020年)
  • 面積:約33万平方キロメートル(日本の約9割)
  • 公用語:英語、マレー語、中国語、タミル語
  • 通過:リンギット

マレーシアは多民族国家ですが治安が良く住みやすいことから2008年から毎年、引退後に「移住したい国No.1」に選ばれていることが有名な国です。
さらに近年では引退後だけではなく物価が日本の半分~2/3で海外大学留学先の中では大きくコストを削減し、高い教育を受けられることにも人気が高まっています。
首都クアラルンプールのルームシェアでの家賃は2~4万円程度で、国民の英語力はアジア25か国中3位。
2位のフィリピンに続き、アジア内では高い英語力を誇るため生活上のコミュニケーションで困ることは少ないでしょう。
また、日本から近く時差はマイナス1時間、首都クアラルンプールには3万人ほど日本人が住んでおり日系のデパートや小売店が多く進出しているため生活のしやすさも魅力的な国です。
なお、マレーシアの大学は留学生比率が高く80%となる大学もあり、多国籍な環境で様々な文化を学ぶこともできます。
マレーシア国内では約20万人の留学生が約80か国から集まり、日本人が留学する主要大学では20~40%がマレーシア以外の国出身の留学生です。
従って、マレーシアの大学生活では多様なバックグラウンドを持つ人々と交流することができます。

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マレーシアの大学の世界ランク

マレーシアには日本のような偏差値はありませんが、世界大学ランキングという序列があります。
QS世界大学ランキングは104の国・地域、1,500の教育機関に注目し、雇用可能性と持続可能性を重視したランキングです。
100位まではアメリカ合衆国とイギリスを筆頭に欧米の大学が殆どを占め、日本の大学は28位の東京大学、46位に京都大学、80位に大阪大学、91位に東京工業大学の4校のみランクインしています。
1位から200位までアジアの大学に注目すると日本は9校がランクインし、中国や韓国、香港といった東アジアの大学が殆どを占めています。
その一方でマレーシアの大学が5校ランクインしており、東南アジアの大学として教育水準の高さが際立っています。
2024年の大学世界ランキングはこちらからご覧いただけます。

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マレーシアの大学はなぜ教育水準が高く評価されているのか

マレーシアはもともと他の東南アジアの国々同様、大学世界ランキングに上位ランクインする国ではありませんでした。
1980年代までは国立大学が7校あるのみで私立大学がありませんでした。
従って、当時は多くのマレーシア人学生が欧米やオセアニアに留学していました。

しかし、1996年に法律が制定され高等教育機関の環境が大きく変わり学際化が促進されました。
The Private Higher Educational Institutions Act(私立高等教育機関法)が整備されたことで私立大学が国内各地に設立されるようになりました。
その結果として、オーストラリアやイギリスの分校がマレーシアに開校するようになりました。

1997年にタイバーツを筆頭に通貨価値が暴落したアジア通貨危機では、多くのアジアの学生が欧米留学をあきらめざるを得ない状況になりました。
一方、欧米より安価に欧米大学の分校へ進学できることから、タイやインドネシア、韓国などの国々の学生がマレーシアを留学先に選びました。
また2001年の同時多発テロの後、中東の国々の人々にとってアメリカへ渡航することは難しくなりました。
その際も、イスラム教を国教とするマレーシアは中東の学生に選ばれる留学先となりました。
このような背景があり、マレーシアの大学は学生数が多く欧米の分校を選べることから高く評価される今にいたりました。

マレーシアの大学の分類

国立大学

国立大学の年間学費は日本円で40万円程と格安ですが、マレー人の比率が殆どを占め授業もマレー語で行われることが多いです。
したがって、留学生にとっては講義についていくのが難しく、選択肢から外れる場合が殆どです。
ただ、国立大学によっては留学生受入学部・研究所を持つキャンパスもあり留学生の受け入れに積極的なケースもあります。

私立高等教育機関法が制定される1996年まで国立大学のみがUniversityを名乗れたことから、私立大学と異なり一般的なコースが多く用意されていることが特徴です。

私立大学

学生に対して大学が学位を与えることができるのが私立大学であり、修士号や博士号の単位を取るコースを受けることができます。
大学卒業後にバチュラー、大学卒業資格の学士号を与えることができ、4年制の日本と異なりマレーシアの大学課程は3年制となります。
私立高等教育機関法が制定されるまで私立教育機関が大学を名乗ることができなかったため、もともとは職業訓練校のような実践的なコースを用意しています。
一般的な大学のコースよりも就職に有利に働くIT関連、ホスピタリティ分野、ビジネス関連の学部が多い特徴があります。

カレッジ

大学は学生に学位を与えることができますが、カレッジは単体で学位を与えることができない学校です。
日本の専門学校のように基本的には2年制となり、卒業時にディプロマを取得することができます。
ディプロマは専門学校卒業資格であるため大学資格ではありません。
したがって、ディプロマを取得するための2年制のコースを留学生が選択することは稀ですが、イギリスやオーストラリアの大学へ編入可能な「ツイニングプログラム」を利用し学位を取得する方法があります。

マレーシアの教育課程

教育課程 対象年齢 教育機関
就学前教育 4~5歳児 幼稚園
初等教育 6~12歳 国民学校(マレー語が必須教科)
中等教育 13歳~18歳 前期3年、後期5年
高等教育 19歳~ 大学、カレッジまたはポリテクニク

マレーシアでは大学入学までの教育課程が13年間あり、大学は3年制でカレッジは2年制となっています。
義務教育は6歳から12歳までの初等教育で、中国語またはインド系のタミル語で教育を行う国民学校がありますが、マレー語が必修教科となっています。
日本の場合は、小学校に6年、中学校に3年、高校に3年と大学または専門学校へ進学するまでの教育課程は12年間で大学は4年制という点が両国の違いとなります。

ファンデーションコース

日本とマレーシアでは高等教育進学までの教育課程に1年の差があるので、差を埋め合わせるためのファンデーションコースが必須となる場合があります。
イギリスとオーストラリアの大学は3年制で、日本の大学1年次の時に履修する「一般教養」は大学進学前に学んでいるため、1年次から専門課程に入る特徴があります。
マレーシアもイギリス式の教育課程となり、ファンデーションコースでは大学で専門課程を学ぶ準備の期間となります。

マレーシアの大学入学要件

マレーシアの大学に入学するために必要なのは最終学歴と英語力です。
求められる英語力は大学や学部によって異なりますが、日本の高校を卒業していれば最終学歴の要件を満たすことができます。
最終学歴は多くの場合問題ありませんが、英語力が足りないことが理由で本過程開始前に語学コースとファンデーションコースを受講するケースがあります。
英語力の部分は短期間でリーズナブルにマレーシア大学入学要件の英語力を身に着けることができるフィリピン英語留学がお勧めです。
英語力を証明するIELTSの目標点数獲得を保証するコースもあるので、フィリピン留学でIELTSのスコアを取得後、マレーシア留学へ行くのが近道になります。
なお、海外大学進学の目標を英語力向上と捉えている場合、大学の授業についていけなくなるケースが多く目立ちます。
語学留学と大学留学の目的を区別し、英語力向上を目指す方は語学留学をまず第一に選ぶと良いでしょう。

デュアルディグリープログラム

マレーシアの私立大学を卒業することで、提携するイギリスやオーストラリアの大学の卒業資格も授与されるプログラムです。
多くの大学はイギリスの提携大学とデュアルディグリープログラムを採用しており、ホスピタリティ学科はフランスやスイスの大学と提携する場合が多くあります。
デュアルディグリープログラムでは提携大学への転校は想定されていないため、3年間マレーシアの大学に通う留学生活となります。
また、デュアルディグリープログラムを持っている提携大学はイギリスの大学であることが圧倒的に多い特徴があります。
例えばマレーシアのサンウェイ大学を卒業すると、提携するイギリスの名門ランカスター大学からも卒業証書が発行されるという仕組みです。

ツイニングプログラム

上記のデュアルディグリープログラムのように2校の卒業資格を授与される仕組みではなく、転校先の大学から卒業資格が授与されるプログラムです。
主にオーストラリアの大学へ通う費用を極力抑えて、マレーシアで1~2年大学に通いその後3年間の課程をオーストラリアの大学で修了したい方にお勧めです。
3年間をマレーシアの大学で学び提携先大学の卒業資格を授与するツイニングプログラムもありますが、その場合は単独で学位を与えることができないカレッジが該当します。
また、ツイニングプログラムを持つ大学はオーストラリアの大学と提携しているケースが大部分です。

ADP

日本と同じ4年制のアメリカの大学へ転校することを前提とするプログラムがADPと呼ばれます。
アメリカの大学は前半2年は一般教養を学び、後半2年は専門科目を学ぶので学費の高いアメリカで一般教養を学ばずマレーシアで学び、後半をアメリカで過ごす仕組みとなります。
留学費用を削減できる利点がある他、アメリカの大学へ転校するプログラムであるため進路指導や転校のサポートが充実しています。
ツイニングプログラム同様、単独で学位を授与できないカレッジがADPを提供するケースが多いのですが、大学とカレッジを併設する教育機関の場合、ADPの過程の途中からマレーシアの大学に留まる選択も可能です。

マレーシア留学が向いている人・向いていない人

マレーシアの大学生活は自由度が高いので、自分で自分の道を決めていける人にとって向いている環境です。
マレーシアの私立大学はもともと職業訓練校や専門学校として開校されているため、本格的な実習設備があり目的が明確な人に向いています。
例えばテイラーズ大学はキャンパス内に学校が運営するホテルがあり、ホテルのマネジメントから料理、掃除まで全て学生が行います。

日本の大学では1年次、2年次に一般教養を学びますがマレーシアの大学では入学してすぐに細分化された専門分野を学びます。
従って、大学入学前に将来の進路を決めてから学部を選ぶ必要があり、学び始めてから違和感を感じ転部をした場合は一から学び直しとなります。
一からやり直すと費用面・時間面での大きなロスにつながるので将来の進路が固まっていない人にとっては不向きな可能性があります。

また奨学金を受けたい方や大学生活でアルバイトをしたい人にも向いていません。
主席レベルでは奨学金を受けることができますが、給付ではなく授業料を半額や2/3にするなど割引というかたちの奨学金になります。
そのタイプの奨学金を受けたいと考えていても、現地に到着して成績が発表されるまで獲得できるかどうかわかりません。
またマレーシアは物価が安いため、アルバイトをしても時給300円程度なので学生は基本的にアルバイトを選択しません。

また、日本の大学ではインターンや企業分析、自己分析、合同企業説明会など就活サポートが充実していますが、マレーシアの大学には就活のサポートがありません。
マレーシアには新卒採用という概念がそもそもなく、4月入社など年度区切りもないので自分で就活をする国と時期を決める必要があります。
したがって、大学入学後もキャリア形成を含めた自己管理が苦手な人には就活の難しさがあります。

大学留学によってネイティブの様な英語を身に着けたいと考えている人にもマレーシア留学は向いていません。
マレーシアは3つの異なる言語を持つ民族グループが共存する国であり、共通語の一つに英語を話しています。
つまりマレーシア国内でそれぞれ第二言語として英語を運用しているので、第一言語の発音や文法の特徴が英語に現れることがあります。
マレーシア英語は「マングリッシュ」と呼ばれ中国語のように早く短い話し方を耳にすることでしょう。
さらに、大学内にはアジアや中東など英語が母語ではない80か国からくる留学生と過ごすのでネイティブの様な英語を求める人には不向きです。
大学は理論を学び研究する機関ですので、英語力を高めることが目的ならば語学留学がお勧めです。

 

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