こんにちは!Kunyです
今回は、ウクライナの伝統的なお守り人形モタンカの紹介とウクライナ東部の現状についてお話しようと思います。
モタンカとは
モタンカとは何世紀も前から様々な力が宿ると信じられ、手作りされている人形です。ウクライナでは女性が結婚、出産、引っ越しをする際に家を守るお守りとして、厄除けとして受け取る風習があります。この伝統は紀元前5~4正規のウクライナに存在していたと考えられており、7000年以上前の歴史をさかのぼると言われています。
モタンカは、針やハサミのような鋭利な道具を使用せず、生地を割いて糸で巻きつけながら作られます。「モタンカ」はウクライナ語で「巻く」という意味があり、家族の幸せや病気の平癒、仕事や将来の豊作を思いながら手作りされます。
通常は、女性から女性に渡されるモタンカですが、戦争が始まってからは戦地に行く男性にも渡される様になったそうです。
私も手作りのモタンカを受け取ったときには、その特別な意味と思いを感じ取りました。
ウクライと日本のメンバーで一緒にモタンカ作り
私はウクライナから札幌へ避難される方々に、2022年4月から日本語クラスの提供、生活サポート、毎月の文化交流イベントを2年間無償提供しています。
そして今回、教室に集まるウクライと日本の友達と一緒にモタンカ作りをしました。
材料は布や毛糸、リボンなど、ウクライナの女性に用意してもらいました。
ドレスや髪、リボンの色を選ぶところから個性を表現できて楽しいですね。
モタンカの作り方はたくさんありますが、簡単でかわいいモタンカを作る方法を教えてもらいながらマスタークラスは始まりました。
始めは、てるてる坊主のような見た目ですね、緑色のドレスを選びました。
牧歌的な雰囲気のモタンカになりそうです。
ドレスの形を整えると、このように立つことができるようになりました。
素朴な雰囲気が既にかわいいですね。
手やリボンを付けて少しずつ出来上がってきました。
全て布を巻いたり、糸で留めたりしながら心を込めて作ります。
友だちとモタンカの出来について話しながら作るとても良い時間になりました。
髪の毛を作るために、毛糸を何重にも巻きます。
髪の毛ができたら、三つ編みにして付けます。
この部分は女性に手伝ってもらいながら作ることができました。
草原で楽しそうにしている雰囲気のモタンカができました!
四つ葉のクローバーの模様も幸運を招いてくれそうですね。
一つ作るのにかかった時間は2時間!その分、たくさんの気持ちがこもっています!
ウクライナ東部の医療機関支援
無償提供している日本語教室に通ってくれているウクライナの方から2023年10月に相談を受けました。
それは、激戦地であるウクライナ東部の病院では物資が不足していて大変な状況だということです。
どんなものが不足しているのかというと、医療行為はもとより生活必需品を含む何もかもです...。
- 包帯
- 手術用の糸
- 傷口を留めるステイプラー
- 消毒液
- 下着
- Tシャツ
- パンツ
これらの必要物資を日本で集めて現地に送る支援を2024年2月からスタートしました。
包帯の不足は深刻ですが、どこのご家庭でも棚の奥に眠っている贈答用タオルがその代用になると考え寄贈を呼びかけました。
SNSで呼びかけたところ、大変ありがたいことに、あっという間に160サイズ段ボール3個以上の物資が集まりました。
しかし、現在はウクライナ東部へ直接EMSで荷物を届けることはできません。
チョルノービリ、ザポリージャ、ヘルソン、ドネツク、ルハンシク、クリミア半島。
この6エリアは日本郵便ではなく、外務省の決定で直接輸送が停止しているそうです。
そこで、東部の一歩手前のドニプロに住む友達に中継してもらい東部の病院に荷物を送る計画を立てました。
ドニプロに住む女性は、去年まで日本語教室に通い毎月企画している文化交流イベントにも何度も参加してくれていた方です。
2024年3月にSNS経由で第1便が現地に届いたとお知らせがありました。
支援物資の協力呼びかけは予想を超える反響があり必要物資を第3便、第4便と送ることができそうです。
その一方、送料負担が大きいため寄附金を募らなければならないという状況でもあります。
そこで、送料のご寄付を頂いた方にモタンカのプレゼントと寄付者リストにお名前・メッセージを載せて荷物に同梱するプロジェクトを行っております。
2024年4月3日現在、第1便はすでに届いており、第2便は輸送中です。
心を込めて作った牧歌的なモタンカは今、奈良県の2人の小さなお子さんのいるご家庭にいます。
ウクライナ東部の医療機関支援についてご関心ある方はメッセージをください!