(ジョージと私)
こんにちは!海外体験レポートを書いているKunyです。
今回は貸した金を持ち逃げしたカリートを、彼の友人ジョージと共に
チャイナタウンに探しに行ったときのエピソードを書きます。
‐前回までのあらすじ‐
キューバの生活を垣間見るために私は2014年にカナダからキューバへ飛びました。リゾート地で有名なバラデロに着いた翌日、キューバ人とタクシーを乗合い首都ハバナへ。そこで、ギリギリの生活をする男たちと出会い、男たちの一人、アレックスが不条理にも目の前で警察に逮捕される。翌日、私は突然CASA(宿)を追い出されてしまいました。
次の瞬間、ばったり会ったのが男たちの一人、カリート。荒々しい印象の彼にその夜10:00に家を訪ねると約束し、私はようやく観光を終えてカリートの家へ行くが、彼は1000円を持って姿を消し、さらに彼の娘の婚約者に殺されかける。
じょりじょりじょり・・・
カリートの親戚のおじさんが、私の顔に頬をこすりつけています。
「うわー!やめてくれー!」
と絶叫。髭じょりじょりされる最悪の目覚めでした。笑
(おじさんに悪気があったわけではなく、友情表現だったと信じています!)
想像絶する悪臭を放つベッドから起き上がると、
リビングで本を読んでいるジョージを見つけました。
「非常に申し訳なく思うが、カリートがKunyの金を持っていったまま帰らない。
チャイナタウンのあたりにいるという情報が入ったから一緒に彼を探しにいかないか?」
ジョージはそう私に提案しました。
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‐カリートを探しにチャイナタウンへ‐
ハバナの早朝、ジョージと私は金を持って消えたカリートを探しに30分ほど歩き
チャイナタウンへ。私は連日の騒動や、最悪な目覚めで朝から疲労感を感じていました。
ジョージはストリートで友達にばったり会うたびに、カリートの行方の聞き込みをします。
「Kuny彼は、車修理の先生だ・・・」
「Kuny彼女は、最高の料理を作る先生だ・・・」
キューバで出会う人は、友人を紹介するときに敬意を込めて「先生」という表現をしばしば使うようです。
ジョージの誠実な心遣い。他方、私は疲労感と自分がしていることへの虚無感を募らせていきました。
そして、一向にカリートの行方をつかめないまま、ついに私は思っていることをぶつけました。
「正直言って、私はカリートに対して追求するつもりはないんだ、ジョージ。キューバを知るためにここへきた俺の時間は限られていて、こんなことをしている時間は俺にはない。」
「分かっているが、彼は友人に返すと言って借りた金を返すべきだ。私は彼を恥ずかしく思う。今回は彼に強く指摘するつもりだ。」
早朝のチャイナタウンで、カリートと金をめぐって
意見が相違するジョージと私の議論は口論のようになっていきました。
「彼が俺の1000円をどのように使おうが、俺は気にしない。彼の家に泊めてもらった義理があるし、そもそも1000円の価値は彼を探す時間に値しない。」
「Kunyは気にしないと言うが、君は家族の一員だ。義理を感じる必要はない。そして彼は彼の自尊心のために金を返す必要がある。
わかるか?彼は彼自身の尊厳を裏切ったのだ。」
"He betrayed his dignity."
ジョージはそう言いました。
ジョージが持っているものは一つのボロボロのボストンバッグだけ。
その中に、数えるほどのシャツと表紙の破れた分厚い古本が入っています。
彼は、清貧なまでに道理を通す男です。
ジョージは以下のように私に言いました。
「分かった、カリートに会ったら今まで彼に言ったことがない言葉で、
厳しく伝える。次にKunyに会ったら借りている金を返すように。
その代わりに、君に会いたがってる男がいるからバラデロに戻る前にそこへ行こう。
その男はアレックスだ、家はここチャイナタウンから近い。」
私は、外国人(日本人)である自分が彼らの集団生活に介入したことで
彼らの結束や信頼に歪みを作ってしまったのではないかと心配し、
ジョージにそれを伝えました。
ジョージは私を責めることは一切せず、
ただ何が正しく、何が間違いなのかを貫く姿を示し、
私はすまなく思う気持ちを飲みこみました。
ジョージと私はチャイナタウンから近いアレックス、
私がハバナで最初に友達になった画家を目指す青年に会いに行きました。
次回は、私と話していたという理由で逮捕された友人、
アレックスとの再会を紹介。並びに、小さなお願いを記事にするつもりです。
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