今回の日本の辞書に載っていない英語はShadismです。
念のため、Weblioで確認してみましたが、
"名詞 shadism (uncountable)
prejudice on the basis of skin pigmentation"
…とだけ説明されていました。
字のごとく、shade + -ismが組み合わさりできた名詞ですが、
Urban Dictionaryにはこのように定義づけられています。
"To judge or be against a person because of their skin tone rather than their race."
差別的なニュアンスが伝わってくると思います。
カナダの語学学校では、「有色人種同士で肌の色の濃さに基づいて偏見を持つ考え方」だと習いました。
肌の色素と能力などは無関係だと思いますが、誤った因果関係を人は持ちやすいのも事実です。
実際、カナダの生活でこのような考え方を持つ人々と出会い、偏見の根強さを感じました。
では、差別とは何でしょうか?
それは「口に出した偏見」です。
心の中で思っているだけなら、偏見ですが口に出した瞬間に差別になることが少なくありません。
では偏見とは何でしょうか?
偏見とは偏ったものの見方、ステレオタイプのことですが、
「あるカテゴリーに属する集団に典型的な特徴を、特定の個人にも当てはめてしまう」ことです。
人間の持つ特性上、偏見をゼロにすることはできません。
私たちにできることは、どのような偏見を持ちやすいか知ることで偏りを減らすことができるということです。
社会心理学の領域に入ってしまいますが、例えば望ましい特性を持っている他者の評価を全体的評価にまで
広げてしまう傾向をハロー効果と言いますね。
例をあげると、有名大学に在学しているから頭が良いだろう…など。
その反対のネガティブ・ハロー効果が偏見の一因になっています。
つまり「望ましくない特性を持っている他者の評価を全体的評価にまで広げる傾向」を指す用語ですが、
例えば、「太っている人は自己管理ができないだろう」
「成績の悪い生徒は生活態度に問題があるのではないか」
と単純化して他者を評価することです。
その原因となっているのは「確証バイアス」の存在です。
人間は「自分の先入観に合うような証拠を信頼したがり、都合の悪い証拠は重視しない」傾向にあります。
人間には強固な先入観があり、それを肯定する情報を集めたがる性質があるのです。
因果関係のない血液型性格診断や占いを信じることもこのバイアスが強く関係しています。
話しを英語に戻すと、このような差別用語…
英語には日本語よりも多く見られると思いますが、耳にする機会少なくなることを望んでいます。
人間が持ちやすい偏見の傾向を知ることで、誤解や差別を減らしていける世の中になってほしいものですね。
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